田んぼのネタが続きます。毎年4月~5月、この時期田んぼ関係の作業が多い。
今は田植前の田んぼの整地作業に関係することが多い。先日は、用水路から田んぼに水を入れる際に用水の一部をせき止める板が、知らぬ間に流されてしまったようなので、新たに板を製作する事にした。
この板の事を正式に何と呼ぶのだろうか。おっさんは今まで錠板と呼んでいたが、ネットで調べてみると関き止め板、堰板(せきいた)と呼んだいるようである。今後はせき板、堰板と呼ぶことにする。
堰板(せきいた)の役割
せき板は、主に用水路の水量が少ない時に、用水路を一部せき止めて水位を上昇させ、田んぼに効率よく水を入れる際に使用している。
ほかには、せき板は用水路自体が分岐するする際の水の分配、割合を調整する場合にも使われる。
用水路の水管理には重要なアイテムである。
おっさんの地域では用水路の取水口30cmくらい後方に溝(スリット)が彫られている。せき板は用水路の溝に差し込んで水を一部せき止める事が出来、小さなダムがつくられる。
せき板を溝(スリット)にいれるとダム(せき板)の上流数十cmの田んぼの取水口では水位が上昇し、田面との落差が増え、田んぼ内に より大量の水を取り込むことができる。
田んぼの水管理は農作業全体でかなりの時間と手間がかかる。大量の水を取り込むことができれば、短時間で田んぼに水を張る事ができる。60aの田んぼだと最速でも6時間程度かかる。水を見に行く回数を減らすこともできる。
せっかく水の様子を見に来たのに!未だ入っていない!
無駄足だった!なんてこともよくある。
せき板なし
せき板有り
わかりにくいかもしれないが、水位の上昇は、取水口のポッチや水のぬれた跡が、堰板の有り、なしで異なっている事で確認できる。
せき板の高さは環境、場所や人によっていろいろである。
100%近く水をせき止めてしまう者もいれば、5cm程度堰き止める者もいる。用水路は共通のライフラインでもあるので、川下の農家の事も考えて控えめにするべきだとおっさんは思うが、この時期はそうもいっていられない事もある。
おっさんの地域は比較的水環境が整っており、用水路の水量も十分なことが多い。なので、せき板の高さは5cm程にしている。
せき板は高さ5cm程度であっても、田んぼに入ってくる水の量は劇的に増加する。せき板は重要な部品である。
材料、道具
最近よく耳にするSDGs(持続可能な開発目標)、私はよく理解していない所が多い。
「あるものは使え!」もったいない精神、リサイクルもSDGsの精神、要因の1つになり得るものと思うのだが…..。材料は端材(はざい)。道具は父の工具や道具を使わせてもらった。代金は0円也。しいて言うなら電動ノコギリの電気代のみである。環境にやさしい、エコである。
端材(はざい)
去年壊した箪笥の引き出しを使用した。数十年前、おっさんが小・中学校の頃毎日使っていた たんすの引き出しだ。最近の物に比べて硬くて頑丈そうだったので、ちょうどよさそうだ。半世紀越しのリサイクルである。
せき板は長時間水にさらされるので、ふやけたり、腐ったりしないか、水に対する耐久性の不安が残る。
水に強い材料として理想的な木材は椹(さわら)の木が良いと父にきいたことがある。さわらは風呂桶、寿司桶、浴槽、水回りに使われている。
電動のこぎり(あれば)
長さが30cm以上、硬い木を切断するには便利。
作業の際は切り始めのキックバック、ケガに十分注意!
のこぎり
中程度の形状出しに使用
ノミ
複雑な形の部分を削り取る
金づち
ノミとセットで使用
マジック
古いせき板をコピーするのに形状を後なでするために使用
せき板作り・作業手順
既存の錠板の形状をマジックでトレース
既存のせき板がある場合は、新しい板の上に既存のせき板を置き、形状をマジックでトレースする方法が一番正確で手っ取り早い。
既存のせき板が無い場合は、段ボールとはさみを準備して、まず用水路内のスリットにきっちり収まるように段ボールをハサミでカットしてゆき、せき板の型紙を作る。次に先ほどと同様に段ボール型紙の形状をマジックでトレースする方法もありかと思う。
用水路に水が流れている場合は?
ううーん、わからん!考えてください_(._.)_
材料を切断
電動のこ切りまたはノコギリでは材料を切断する。
ラフな形状を切り出す
次の曲線部、詳細形状の工程がスムーズに行えるように、ノコギリを使ってラフに形状を近づけてゆく。
曲線部、詳細形状を切り出す
ノミを金づち叩きながら曲線形状の輪郭を多角形的に近似するようにそぎ落として行った。ノミは手で木を削って使うものだと思っていたが、金づちで叩いて掘る、そぎ落とすイメージで今回使用した。
完成・評価
出来上がりは以上のようになった。写真上が古いせき板、下が新しく製作したせき板だ。
素人のにわか大工仕事ではあるが、我ながらまあまあの出来である。
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