コンバインのベルトが切れかかっている
コシヒカリの稲刈りは、今の所9月6日か9月9日以降になりそうだ。
稲刈りを前に、小屋の乾燥機✈や、モミスリ機✈の設置、清掃をしている。
稲刈り機のコンバインも整備・点検も準備万端かと思っていたら、父親との話の中で昨年、コンバインの清掃時に「ベルトが切れかかっているのを発見していた」事を思い出した。半年前の事なので、すっかり忘れてしまっていた。
確認してみると、3~5mmほどベルトの厚み方向に亀裂が入っていた。
亀裂の入ったベルトはどこかと言うと下記画像の SB 94 のいうベルト。コンバインは色んな所が詰まりやすい。なので、すぐに対応できるように+掃除が簡単にできるように、取り外し可能なパネルがいくつかある。詰まりやすい部分のパネルを外すと、裏面に図のようなベルトサイズおよび調節要領がかかれている。ベルトのかけ方もこれを見れば一発だ。
亀裂のあったベルトは上図の SB 94
右の写真は上図のカッタ軸付近の写真⇒
あれ、もっとすごい亀裂があったはずだったのに?
ベルトを外して農機具店に持ってゆくと、
5ミリの亀裂よりもっとすごいのありますよ!
といわれた。おっさんの記憶は間違ってなかった。
楽天って何でもあるんだ!農業用Vベルトも売っている
今回交換したのはBANDOのREDシリーズ
バンドー化学 レッドSII SB94 農機用Vベルト SB形 価格:2,827円 |
参考までにW800シリーズは標準のVベルトを100とした場合の3倍、REDシリーズの2倍の伝達能力。寿命もREDの3倍以上の数値だ。専門用語の詳細はわからないが、W800シリーズは最強という事は理解できる。(下表)
ちなみにSB 94の94の数字はベルトの有効ピッチ周長さをインチ単位で表したもの。
94の場合は94(インチ)=94x25.4mm=2387.6mmとなる。
標準Vベルト | RED | W800 | |
伝動能力 | 100 | 150 | 300 |
逆曲寿命 | 100 | 450 | 1800 |
衝撃寿命 | 100 | 150 | 450 |
詳細仕様は BANDOの公式サイト 製品情報 > 農業機械用 > 農業機械用ベルト を参照
社名がBANDOとは!
ベルトは「バンド」とも呼ぶが、これになぞらえているのか、
創業者が「ばんどう」さんだったのか?
VベルトのBANDOで覚えやすい。
他にももみすりきのロールも製造しているもよう。
なぜ、わらカッターのベルトに亀裂が?
このベルトはわらのカッターを駆動するベルトだ。そういえば、去年は、カッター部分にわらがよく詰まって、カチカチになって、取り出すのに苦労した。わらが詰まってカッターは止まっている?のに動力源に近い図の2#軸は回っているので、矛盾(無理な力)が生じ、その無理な力がベルトにかかって亀裂ができたのだろう。ベルトは、この動力伝達系で一番弱い素材であるゴムでできている。機械全体が壊れて、修理に費用がかかるより、ベルトが切れた方が安くつく。
では、なぜベルトに無理な力がかかるのだろう?
理由については自信がないが、おそらく↓
カッターの下にわらがつまるため
通常は、カッターでカットされたわらは、コンバインが移動しているので詰まることはない。しかし、手動で脱穀の際は、コンバインは移動せずに止まっているのでカッターの下に大量のわらくずが排出される、行き場を失ったわらはどんどん排出口にたまってゆく。手動脱穀でわらの排出部が山になった時は、足で山をくずしたり、散らかしてはいる。
しかし、山になったわらを崩しわすれてしまう事も多い。上流、前工程からは次々とわらが供給される。
そのうち、わら供給>わらカット処理の状態となって、その歪がベルトにかかり、ベルトで吸収しきれなくなった歪は亀裂⇒ベルト切れの道をたどることとなる。
無理がかかると安全装置がはたらいて、エンジンが自動停止することになってるのだが、去年は自動停止はするがかなり重症になって自動停止することが多かった。その時には、わらが、カッターや、搬送チェーンに食い込んで、カチカチになってしまっており、食い込んだわらを取り出して復旧するのが大変だった。10~30分くらいかかる。昨年は、今までになく、わらが何度も詰まってしまった。
エンジン自動停止のタイミングが遅れ、重症化するのも、ベルトの亀裂に原因があるのではないのだろうか?
劣化以外にベルトに亀裂ができる理由はこれだけじゃないような気もするのだが、今のおっさんには、これくらいしか思いつかない。
さっそく、わらカッターのベルト SB-94を交換することにした。
今まで、父親任せ、農機具屋任せだったのだが、初めてのベルト交換だ。
1. 基本は、ベルトサイズおよび調節要領(上図)に書かれているように各プーリーに引っ掛けていく。
2#軸のプーリーにベルトをかける
2. ベルトがかかりにくい所は、レバーを引き下げ?(たぶん)して一時的にベルトのテンション(張り)をゆるめて、プーリーに引っ掛ける。
ベルト掛け、とりあえず終了したところ
3. ベルトを覆っていたカバーをはめる。
4. 作業クラッチを入れ、カッター部を回転させ確認する。
小屋の中で作業クラッチを入れると、ほこりや、ワラくずなどが出てくるので、外へ出て、作業クラッチを入れると、ねずみの赤ちゃんが2匹出てきた。駆除するのもかわいそうなので、畑に捨ててきた。こっちの方が残酷かも?
点検・整備も済んであとは稲刈りを待つのみ。
あっ、給油もしておかなければ!
お役立ち情報: 実は、安上りの給油時間短縮テクニックがあるんです。
下記は乾燥機へ灯油を給油する場合ですが、コンバインに軽油を給油する時にも応用できます。
給油スピードが速いので吹きこぼれに注意!(実際おっさんはこぼしてしまいました)
グレンタンクを使っている農家さんは気を付けましょう!
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