足の不自由な父に、通院用の踏み台を作ってみた。軽トラに乗りこむ際に使うものである。父はDIY好きなので道具は色々そろっている。日立のインパクトドライバーもある。材料を据置き電動のこぎりで切断して、さあ、組み立てだ。
踏み台の仕様と試行錯誤
踏み台の高さの目標を15cmに!
軽トラの床面は地上より約42cmある。父はこの高さでは、登れないため、今まではコンクリートブロック(写真左)の上に一旦の乗ってから軽トラに乗りこんでいた。無難な考えでは42cmの半分21cmの高さがあればいいんじゃないか、と予想を付けた。
父に確認してみると、「既製品の折り畳み踏み台(写真右)では高すぎる」、「石段(写真奥)の高さ位でいい!」との事。最終的には踏み台の高さは14cmとなった(完成形、写真中央)。
天板は手持ちの板を無加工で使用。足は天板に2個の下駄をはかせる。下駄1段では目標の高さ15cmに届かないので2段にした。下駄は横 ➡ 縦と2回はかせる2階建て構造。下駄としての角材は4本で非常にシンプル省資源だ。
1段目
1段目は50mmのネジ釘を電動ドライバーで打ち込み難なく作業が終わる。我ながらなかなか綺麗にできた。ただ、これでは高さが足りない。
2段目
試行錯誤の上、1段目の2個の下駄に直交して取り付ける事にした。
1段目と2段目をつなぐためにネジ釘ではない普通の90mmの釘を使った。手持ちの釘で一番長い釘、ネジ釘は普通の90mmの釘しかなかった。取りあえず2段目の下駄1個に釘2本、2個の下駄で合計4本の釘を使った。
ただ、1段目と2段目の接続のうえで、90mmの釘のうち約10~15mmしか釘が効いていないのが気にはなった。気にはなりつつ作業を続行。
私はまっすぐに釘を打つのが上手くない。太くて長い釘なので、下穴をあけてから釘を打つ事にした。
取りあえず完成、これでも踏み台としては機能しそうである。
ただ、まだちょっと気になる所がある。
下駄2本で体重60~70Kgを支えるのはちょっと不安。体重60 ~70Kgでも瞬間的には倍くらい力のかかることもあるかもしれないと思い、下駄を真ん中にもう1本追加し、下駄3個体制にする事にした。
だがしかし、90mmの釘は残り1本しかなかった。
この1本しかなかった事が、後々悲劇を生む結果に!
2段目3個目、中央の下駄は120mmのねじ釘にした
90mmの釘が残り1本しか釘が無いので、何かいいものは無いかと探しまわっていたら、良いものを見つけた!
120mmのねじくぎである。
ただ、ねじくぎは全てにネジが切られているわけではなく一部にネジが切られている。
ねじくぎが途中で入らない、逆回転もできない!
2段目中央の下駄の足から1段目の下駄に向かってネジ釘を打ち込む。
途中までは調子よく電動ドリルは回転してゆくが、途中から回転スピードが遅くなり、ついにドリルは止まってしまった。新しく充電した電池に交換してもびくともしない。
日立のインパクトドライバーは12V仕様。も少し、電圧の高い機種の方が良かったのか?一般的にモーター電圧の高いモーターの方がトルクが大きい傾向にある。
逆回転!押してもダメなら引いてみな!
すぐに思いついたのは電動インパクトドライバーの逆回転。
早速やってみる。ネジの頭がこけないようにドライバーを抑えつけながらSWを切り替え、逆回転しようとするがびくともしない。インパクトの「カン・カン・カン・カン」の打撃音だけがするだけだ。逆回転で釘を抜こうとしながら、インパクトで頭をたたくという相反する動作をしている。
手回しドライバーを使ってみる
プライヤー、ペンチなどでネジ釘の頭をつかんで抜き取る
空まいするだけで、クギ頭をガッチリつかんでくれない。
抜けないなら、金づちで叩いて押し込んでしまえ
母の提案である。たまにはいいことを言うとほめてあげた。私には全く思いつかなかった。「引いてももダメなら押してみな!」的な逆転の発想である。
ただ、ネジ釘は一般的な鉄の釘に比べて素材が硬いようでだ。叩いても叩いてもびくともしない。ネジのギザギザが効いて叩いても木に食い込んでいかないのかもしれない。力技で何度も叩いていたら、とうとう下駄の鉄くぎが抜けてしまった。
さらに悪いことに、無理な力ががかかったのか1段目の角材に亀裂が入り、鉄くぎが亀裂の隙間から少し見えている。釘の役目を果たさなくなってしまった。
バールでこじ開け引っこ抜く
力技の第2弾、角材を壊さないようにバールをネジ釘を抜く際の支点部分に当て木をかましてこじ開けようとするが、今回もびくともしない。逆に、中央の下駄が一部破損してしまった。
釘と角材は強力に結合している。
最後の手段、釘の刺さった角材を破壊する
不本意ながら下駄(角材)を電動のこぎりと普通のノコギリで切断する事にした。後は何とか、下駄を破壊してでも釘を抜く!意気込みで作業を開始。
下駄の片側をねじ釘を残して切断した。反対側も切断しようとしたら、途中から角材が少し回転した。
そこで思いついた。
余談ですが、釘の刺さった角材ではなく足に釘が刺さった時の話はこちら
完成
ひびが入って割れた部分には、下駄に沿わせてもう1本角材を追加し、ネジ釘で留めて補強した。
人に自慢するにはお粗末な仕上がりとなっているけど、自分では、満足している。
それにしても、完成寸前の所で、変な気を起こしたために、
釘が抜けない ➡
下駄(角材)破損 ➡
丸ノコの電源ケーブル切断
とえらいことになってしまったものである。
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